<要約>
児童福祉法などの改正案が国会に提出
→改正の目的:子育てに不安や負担を感じる家庭への支援、虐待防止対策の強化
→主要内容1:虐待を受けた子どもを児相(児童相談所)が親から引き離す一時保護への、司法審査の導入
➡客観的な立場で司法が措置の妥当性を判断する+中立性、透明性を高め、児相と親との対立を和らげ、円滑な支援につながる効果
Cf.今の一時保護は、親の同意がなく二ヶ月を超えて保護する場合のみ審査対象
→それを、親の意に反して保護を始める場合は全て、家庭裁判所が可否を判断する仕組みに変える
→他の内容:子ども家庭福祉分野の新たな資格の創設や、児童養護施設などで暮らす子どもが支援を受けられる年齢の柔軟化など
改正案の問題
→児相の過重な業務負担が予想される(裁判所の判断材料となる資料の準備など)
→児相が一時保護をためらい、救うべき子どもを守れない事態が起きる可能性
Ex.神奈川県大和市の子供窒息死事件
➡新たな仕組みがきちんと機能する条件を整えることが肝要
今後の課題
→迅速性を損なわない手続のあり方など、実態に即した制度設計が欠かせない
→弁護士の配置など児童側の態勢強化
→保護の要件の明確化など
児童保護法の目的:「子どもの最善の利益」に資すること
→一時保護や施設入所、措置の解除など重大な決定に際して、子どもの意向は把握されているのか?
➡改正案の審議を、「子どもの利益」の実現に向けた一歩にしたい
コメント
一時保護の決定に際して手続の透明性を確保することは、確かに親との対立を和らげ、納得を得られより子供保護に役に立つと思う。
しかし、専門家議論で指摘されているように、児相が一時保護を躊躇う効果をも産んで、至急救わねければならない子供を逃すかもしれないのではないか。家庭裁判所で判決が下されるまでの児童保護整備は整えているのか?「迅速性損なわない手続のあり方」より重大に問われる時点だ。
ちなみに、ここでいう「児童」に該当する年齢はどうなるのか?「未成年」全部を意味するのではないと思うが。昨日、Netflixで配信している韓国ドラマ『未成年裁判(少年審判)』を見終えたところでもあって、興味ができたので。
また、「子の利益優先」という表現だが、「子供にとって一番いいことを目指す」という意味なのではわかるが、なんとなく不十分ないし不適切な感じがする。それは、児童虐待など子供にとっては生存権に関わる問題も含まれているから。
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https://www.asahi.com/articles/DA3S15225037.html?iref=pc_rensai_long_16_article
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